株式会社ACCESS(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:大石 清恭、以下ACCESS)の子会社、IP Infusion Inc.(本社:米国カリフォルニア州、代表取締役社長 兼 CEO:緒方 淳、以下IP Infusion)は、本日、ソフトウェア企業であるNorthforge Innovations® Inc.(本社:カナダ・ケベック州、代表取締役社長 兼COO:Brenda Pastorek、以下Northforge Innovations)の株式を100%取得することを発表しました。本買収により、Northforge InnovationsはIP Infusionの完全子会社となり、ACCESSの連結子会社となります。
買収背景と目的
IP Infusionは2006年3月の子会社化以来、組み込み機器向けネットワークOS「ZebOS®(ゼボス)」の開発・提供を軸に事業展開し、これまでにネットワーク業界の主要300社超への導入実績を有しております。
IP Infusionを取り巻く市場環境としましては、伸び続けるインターネット通信需要への対応や第5世代移動通信システム(5G)サービスの本格化に向け、通信キャリアや大手サービスプロバイダー、データセンター事業者等による設備投資の積極化が見込まれる一方、それらの事業者においてはネットワークインフラ設備投資コストの大幅な低減とネットワークインフラ運用の自由度向上が大きな課題となっており、その解決策の一つとしてハードウェアとソフトウェアの分離調達(White Box(ホワイトボックス)化)へのニーズが高まっています。
こうした市場ニーズを見据えて、2015年にIP Infusionは通信キャリアや大手サービスプロバイダー等の求めるネットワーク品質・機能要件に応えるWhite Box向けネットワークOS「OcNOS®(オクノス)」を開発・市場投入し、現在、White Boxモデルの先駆者として事業を展開しています。同製品はACCESSグループのネットワーク分野における次代の主力製品と位置付けられています。
「OcNOS」の本格商用化に向けたこれまでの進捗状況としましては、世界最大級のインターネット・エクスチェンジ・ポイント(IXP)である英国London Internet Exchange(LINX)に採用され、本年各種試験を完了し、現在本格稼働しています(2018年5月8日付プレスリリース参照)。今後は通信キャリア等による本格採用を見込んでおりますが、その実現には当社製品がサポートする機能の拡充・強化や品質の更なる向上に加えて、「OcNOS」が動作可能なハードウェア製品種目の増加が不可欠であります。とりわけハードウェア製品種目の増加については、White Boxのハードウェア面での性能を左右するチップセット領域において高いマーケットシェアを有するBroadcom Inc.(本社:米国・カリフォルニア州、以下Broadcom)製品への対応がIP Infusion製品の市場浸透の観点から極めて重要な課題であると考えております。
過去数年にわたり、IP Infusionは開発の外部委託先としてNorthforge Innovationsと取引関係にありましたが、
を踏まえ、IP Infusionの「OcNOS」事業の加速のために強化すべき要素を補完するためNorthforge Innovationsと業務提携について広範な協議を重ねてまいりました結果、同社を買収することを決断した次第です。
IP Infusion代表取締役社長 兼 CEOの緒方 淳は、
「IP InfusionとNorthforge Innovationsは共に、サービスプロバイダーやデータセンターに求められるネットワーク品質・機能要件を満たす、次世代の『OcNOS』を提供してまいります。当社のネットワークOSにおける豊富な実績と、Northforge Innovationsのネットワーク通信における広範な知見が組み合わさることにより、より多くの選択肢と、柔軟性の高いWhite Boxソリューションを我々の顧客へ提供できると確信しています」と述べています。
Northforge Innovations代表取締役社長 兼 COOのBrenda Pastorekは、
「今後、当社の高度なソフトウェア開発力と知見により、機器メーカへの実装サポートに加えて、ネットワーク通信業界におけるIP Infusionの『OcNOS』のプレゼンスを高めてまいります。例えば、当社は、Broadcom社の『StrataDNX』チップセットの唯一のAuthorized Development Collaboratorとして技術サポートを提供していますが、こうした経験から蓄積されたBroadcom社チップセット製品に関する深い専門知識は、“White Boxソリューショでネットワーク業界を変革していく”IP Infusionの取り組みに寄与するものと自負しております」と述べています。
「IP Infusion」の概要
本買収により「IP Infusion」の子会社となる「Northforge Innovations」の概要
なお、買収スキーム、財務状況等に関する情報は本日ACCESSから発表の適時開示情報をご参照ください。
■株式会社ACCESSについて
ACCESS(東証マザーズ:4813)は、1984年の設立以来、独立系ソフトウェア企業として、世界中の通信、家電、放送、出版、エネルギーインフラ業界向けに、モバイル並びにネットワークソフトウェア技術を核とした先進のITソリューションを提供しています。累計搭載実績15億台を超えるモバイルソフトウェアおよび300社以上の通信機器メーカへの豊富な採用実績を誇るネットワークソフトウェアにおける仮想化技術の開発力とノウハウを活かし、現在、組込とクラウド技術を融合したIoTソリューションの開発・事業化に注力しています。アジア、米国、ヨーロッパ地域の子会社を拠点に国際展開も推進しています。
https://www.access-company.com/
■IP Infusion Inc.について
IP Infusionは、White Boxソリューションにおけるリーディングカンパニーです。同ソリューションにより、通信事業者や企業の新機能やサービスの拡張を、コストを低減しつつ、柔軟に、迅速に実現します。業界初となるOCP準拠のMPLS対応の統合オペレーティングシステム「OcNOS」は、大規模ITネットワーク構築を簡素化し、実装を容易にするソリューションです。NFVベースの仮想ネットワークプラットフォーム「VirNOS®」は、事業者のネットワークサービスの開発・運用をコスト効率よく構築します。通信機器向けミドルウェア「ZebOS®」は、世界中の大手通信機器メーカなど300社を超える企業に採用されており、日々進化する、クラウドや、キャリア・モバイルネットワークの要件に応えます。「OcNOS」と「VirNOS」は、「ZebOS」をベースに開発されており、通信事業者や企業の物理的/仮想的なネットワーク要件を満たすソフトウェアソリューションとして、事業者のディスアグリゲーション型ネットワーク構築を支援します。IP Infusionはカリフォルニア州サンタクララに本社を置き、ACCESS CO., LTD.の100%出資子会社です。
https://www.ipinfusion.com/