株式会社ACCESS(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荒川 亨、以下ACCESS)は本日、携帯市場および組み込み機器市場向けに、最適化されたオープンソースコンポーネントの開発強化の一環として、アプリケーション・フレームワークを、Mozilla® Public License(MPL)v1.1. に基づいてオープンソースコミュニティに開示することとし、年末までにオープンソース化することを発表いたします。合わせてLinux Kernel を拡張するセキュリティ機能をGPL (General Public License) v2に基づいてオープンソース化します。
本アプリケーション・フレームワークは、ACCESSのモバイル市場向けプラットフォームである「ACCESS Linux Platform™」の一部として開発されました。ACCESSのアプリケーション・フレームワークは、アプリケーションをインストールしたり、管理するための機能を提供するのに加えて、アプリケーション間の通信、たとえば、音楽再生、メッセージング、その他の高度な機能をシームレスに切り替える機能を提供します。また、電話機の機能の不正な利用や、重要なシステム・データへの不法アクセスを防ぐために、アプリケーションの安全性を確保できるように設計されています。
France Telecomの携帯事業部門であるOrange社のバイスプレジデント、Yves Maitre氏は「Orangeは、
モバイルLinuxソフトウェアプラットフォーム市場の成長をコミットする1社として、ACCESSがアプリケーション・フレームワークをオープンソース化すると決断したことは、モバイルLinuxエコシステム全体に利益をもたらすものと確信しています。」と述べています。
ACCESSのグローバル執行役員兼プロダクト・デベロップメントのシニアバイスプレジデントであるMike Kelleyは
「我々だけでなく、サードパーティや通信事業者、世界中のLinux エコシステムのすべての参加者が、アプリケーションを統合しやすく、安全に管理できるように、アプリケーション・フレームワークを開発しました。このアプリケーション・フレームワークを開示することにより、全てのLinux開発者、メーカそして通信事業者に貢献し、規格の分裂化を回避して、Linuxベースの携帯電話および機器の市場成長に繋がると考えています。」と述べています。
今回のオープンソース化に対して、業界より以下のような賛同を得ております。
Linux Phone Standards(LiPS)Forumの会長兼社長、Haila Wang氏は
「LiPS Forumでは、ACCESSがアプリケーション・フレームワークをオープンソース化するというニュースを歓迎いたします。
この動きは、携帯電話メーカや携帯電話会社が、より迅速かつ低コストで電話機を開発できるように、オープンソースのソリューションを検討するというLiPSの活動と一致し、このACCESSからの重要な貢献をぜひ検討したいと考えています。」と述べています。
Open Source Development Lab(OSDL)の最高経営責任者、Stuart Cohen氏は
「Mobile Linuxのマーケットシェアは拡大しており、オープンソースコミュニティや強力なモバイルエコシステムの構築に対して、ACCESSは一貫して積極的な取り組み姿勢を示しており、さらなる市場拡大に貢献しています。ACCESSは、アプリケーション・フレームワークを公開することで、プラットフォームのユーザを増やし、モバイルLinux市場を拡大できるということを良く理解しています。」と述べています。
GNOME Foundation会長、Dave Neary氏は
「GNOME Mobile and Embeddedイニシアチブを通して、GNOME Foundationは、モバイルおよび組み込みデバイスの市場において革新とコラボレーションを推進しています。ACCESSが、アプリケーション・フレームワークをコミュニティにオープンにすることは、フリーソフトウェア、GNOME、そしてGMAEイニシアチブの成功への大きな貢献です。ACCESSがオープンソースコミュニティの真の一員として、優れたソフトウェア開発のフレームワークを世界中の組み込み開発者の手に届けてくれるのは、大変うれしいことです。」と述べています。
ACCESSとオープンソースコミュニティについて、およびアプリケーション・フレームワークについては添付資料をご参照ください。
本アプリケーション・フレームワークは、年末までに下記サイトよりダウンロードが可能となる予定です。
https://www.access-company.com/about/opensource/download/
<添付資料>
■アプリケーション・フレームワークのサービス・マネジャーの構成は以下のとおり
今回オープンソース化するアプリケーション・フレームワークの構成は、下図の通りで、サード・パーティ・アプリケーションをインストールしたり、アプリケーションを切り替えて動かすために必要な機能を提供します。
Bundle Manager – メインメモリ上か、拡張メモリカード上かにかかわらず、システム上の全アプリケーション共通の表示(view)を提供します。Bundle Managerにより、直感的かつ簡単な方法での異なるタイプのアプリケーション(Java、ネイティブLinux、Palm OS)の管理や起動が可能になります。Bundle Managerにより、ユーザがこのようなアプリケーションのタイプによる違いや複雑さを意識することなく、あらゆるタイプに共通な使いやすいインターフェイスを提供することができます。
Security Policy Framework (SPF) – SPFは、機器のセキュリティポリシーを制御します。このフレームワークが使用するポリシーはプラットフォームのライセンシー(携帯電話メーカや通信事業者)によって作成され、更新可能で柔軟性に富み、ポリシーの実施メカニズムとは切り離されています。このポリシーフレームワークは、互いに連動するカーネルレベルの実施コンポーネントと共に動作します。
Exchange Manager – アプリケーション間および機器間のデータ交換を処理します。開発者は、プラグインを記述するだけで、新しい転送プロトコルを簡単に追加できます。記述したプラグインをインストールすると、Exchange Managerによって新しいプロトコルが全アプリケーションから利用可能になります。
Notification Manager – アプリケーションに対して、通話の着信、メッセージング、システムスリープ、電波状態などの任意イベントを通知します。通知メッセージは特定のアプリケーション向けに「固定されて」いないため、開発者はアプリケーションを必要な通知に登録するだけで、いつでも新しいアプリケーションに置き換えたり、追加することができます。
Application Server – アプリケーションのインストールから立ち上げ、一時停止、再開、終了まで、アプリケーションのライフサイクルを管理します。
Attention Manager – アプリケーションが生成し、ユーザに対して表示されるイベント用の中央情報センターを提供します。警告には、通話の着信、SMS、MMS、アポイントメント、市場緊急情報メールの受信、ユーザ設定の対象株式価格警告および電池消耗に関する警告があります。開発者は、このような通知を特定のハードウェア、サービス、アプリケーションに合わせて簡単にカスタマイズできます。
Alarm Manager – アクティブ、非アクティブどちらのアプリケーションにもリアルタイムで警告が通知できるようにします。(Attention Managerで管理)このサービスは、特定の時間に警告ができるように一貫した方法を開発者に提供します。
Global Settings Services – フォント、フォントサイズ、システム テーマなどのユーザ設定にアクセスできる、あらゆるアプリケーションおよびサービスに共通のAPIを提供します。
【ACCESSとオープンソースコミュニティについて】
ACCESSはオープンソースコミュニティのメンバーです。また、Linux Phone Standards(LiPS)フォーラム、およびOpen Source Developer Lab(OSDL)のMobile Linux Initiativeの設立メンバーでもあります。ACCESSは、オープンソースコミュニティに対して下記のような数々の活動をしております。ACCESSとオープンソースコミュニティに関する情報は下記サイトをご参照ください。
https://www.access-company.com/about/opensource/
【libsqlfsライブラリについて】
libsqlfsライブラリは「ACCESS Linux Platform」の一部として作成された、一般的なSQLiteパッケージのアドオンです。libsqlfsライブラリは、OMA-DM (Open Mobile Alliance-Device Management)に準拠したレジストリを実装するための柔軟かつ簡単な方法を提供するために設計されました。
【Open Binder について】
コンポーネント・オブジェクト・フレームワークであり、全体的な概念はDCOMおよびCORBAと似ていますが、小型機器での使用に適しています。Open Binderは、カーネルにロードできるドライバとして実装されるユニークなプロセス間通信(IPC)パラダイムを提供し、幅広いプログラマティック・ユーティリティ・クラスやフレームワークに組み込まれます。ACCESSは、オープンソースコミュニティにBinderドライバおよび関連のフレームワークを公開しました。
■株式会社ACCESSについて
ACCESSは、情報家電向け組み込み型インターネットソフトの分野で市場をリードしています。「NetFront®Browser」を始め、Palm OS、ACCESS Linux Platformなど、柔軟かつ拡張性が高いテクノロジーを提供し、次世代端末の速やかな市場投入を実現可能としています。2001年2月26日には東証マザーズに株式を公開(4813)、アメリカ、アジア、ヨーロッパに全29の子会社を運営し国際展開にも注力しています。
https://www.access-company.com/
■ACCESS Linux Platformについて
ACCESS Linux Platform(ALP)はオープンプラットフォームで柔軟性が高い、Linuxベースの携帯端末向けプラットフォームです。ACCESSのモバイルテクノロジと、最高クラスのオープンソースであるLinuxコンポーネントの融合により提供されます。ALPはGHost (Garnet™Host)として知られているPalm OSに互換性のあるレイヤを含んでいます。68K Palm OS applicationsが適切に書き込まれ、ALPベースの端末で作動します。