株式会社ACCESS(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鎌田 富久、以下ACCESS)の米国子会社であるIP Infusion Inc.(本社:米国カリフォルニア州、最高経営責任者:楢崎 浩一、以下IP Infusion)は、本日、通信機器向けミドルウェアの最新版となる「ZebOS® 7.9」を発表し、提供開始いたしました。
最新版「ZebOS 7.9」は、世界中の通信機器メーカーやサービスプロバイダが、通信事業者をはじめ、パブリッククラウドやプライベートクラウドサービスのプロバイダなど幅広い層をターゲットとして、高付加価値のネットワークソリューションを柔軟に、迅速に、かつ低コストで開発・提供できる環境を実現します。また、「ZebOS」は、顧客ソリューションのコモディティ化を防ぎ、ネットワーク障害を解消すると同時に、投資収益率の向上を可能にします。
「ZebOS 7.9」は、データ需要の拡大が特に顕著なデータセンターやモバイルバックホール(携帯端末の基幹伝送網)、キャリアイーサネットに向けて、以下の点を強化しています。
-データセンターネットワーク
SANs(Storage Area Networks)上でファイバチャネルからFCoE(Fibre Channel over Ethernet)向けの伝送を加速させるデータセンター・ブリッジングエクステンションを搭載。また、データセンターのスイッチ機器やネットワーク経路の荷重に対して最適化や負荷分散を行うTRILL(Transparent Interconnect of Lots of Links)もあわせて提供し、データセンターネットワークのスパニング・ツリー・プロトコルを使う際に生じる問題を解決します。
-モバイルバックホール
旧来型のRANネットワークからイーサネットに切り替えることにより、幅広いオプション機能の実装に加えて、より安価な携帯端末向けサービスの提供を可能にするMEF※1(Metro Ethernet Forum)のMBH IA(Mobile Backhaul Implementation Agreement)に準拠。ATM/HDLCエミュレーション向けのスードワイヤーを含む多様なサーキットエミュレーション方式に対応し、イーサネットベースの4G通信を用いた音声・動画・データのサービスをより手軽に端末へ実装することが可能です。また、ネットワーク機器のプロバイダにマイクロ秒以下の誤差で時刻を提供できるIEEE 1588v2 PTP(Precision Time Protocol)にも対応します。
-キャリアイーサネット
ネットワーク機器の相互運用を可能とする標準規格、MEF 13やMEF 20に準拠するなど、キャリアイーサネットへの切り替えをサポートする様々な新機能を搭載。また、信頼性の高いパケットベースの伝送技術を提供するMPLS-TP※2など、新たなサービス管理機能も複数搭載し、管理の簡素化を追求。サービス管理の面ではMPLS-TP 5654、MPLS-TP 5960、RFC5586 (OAM)、RFC 5921に対応。QoSの管理の面ではMEF 13とMEF 20に対応。
ソフトウェア – 新たなネットワークパラダイム
-「The future of networking is software」(ネットワークの未来はソフトウェアが担う)
現在、ネットワークの設計や開発、構築における技術革新は目に見えて進んでいます。サービスプロバイダは半年ごとに新サービスを提供しています。また通信事業者の95%は市場投入のタイミングと収益には直接的な関係があり、新サービスの迅速な市場投入は大幅な収益向上につながると見ています。このためには、まず基盤となるネットワークの技術革新が必須なりますが、需要拡大のスピードは、従来のハードウェア主体のネットワークにおける技術革新を凌駕しています。今日では、サービスプロバイダのうち3社に1社は市場投入の時期を誤ると言われています。ハードウェアにおける技術の複雑さや既存のシステムやプロセスにおける柔軟性の欠如が、適切なサービス提供を阻害する主な要因となっています。
このような課題を解決するため、ネットワーク業界は21世紀初頭に主流だったハードウェア主体のネットワーク構築から、ソフトウェアを基盤にしたネットワーク構築に急速に移行し始めています。数十億人のモバイルユーザーの出現や、データの高速大容量化、ITサービスの利用拡大といった市場動向に対応するべく、ネットワーク業界の技術革新は猛スピードで進行し、ソフトウェアベースのネットワーク構築への移行は不可避となっています。さらに、ネットワーク向けチップセットが広範囲で利用可能になったことにより、ネットワークの経済状況は大きく様変わりし、ネットワーク構築におけるハードウェアのコモディティ化を推し進めるとともに、ソフトウェアの台頭を一層促進することとなりました。IP Infusionは、このネットワークの技術革新における中核を担っています。
米国の調査会社ACG Researchのマネージングパートナー、Ray Mota氏は、
「通信市場が急速に変化する中、メーカーが開発するネットワークソリューションには、スピードやコストだけでなく、新たな収益機会を捉えることが出来る独自性も要求されています。IP Infusionの『ZebOS』に代表されるソフトウェアを中心としたネットワークソリューションは、サービスプロバイダのこうした課題を解決し、競争力強化に貢献しています」と述べています。
IP Infusionの最高経営責任者 楢崎 浩一は、
「IP Infusionは、ソフトウェアベースのルーティングやスイッチングを可能にするソフトウェア基盤を、データセンターやモバイルバックホール、キャリアが運用する基幹ネットワーク向けに10年以上に渡って提供してまいりました。今後は『The future of networking is software (ネットワークの未来はソフトウェアが担う)』をビジョンに、急激に変化する市場ニーズにいち早く対応できるソリューションを開発し、業界における主導的な立場をより強固にすることを目指してまいります」と述べています。
ソフトウェアベースの業界標準型ミドルウェア「ZebOS」について
IP Infusionは「ZebOS」を通じて、10年以上に渡り、5大陸のほぼ全てのネットワークに向けて包括的なルーティングならびにスイッチングのソフトウェアを提供しています。また、同社のアーキテクチャはネットワーク機器のプロバイダが商用のネットワーク・スイッチチップを利用して安価なコストで高いパフォーマンスを実現可能にしています。一度開発した同ソリューションは、ルーティングとスイッチングのソフトウェアを書き換えることなく、ソフトウェアをより安価でパフォーマンスの高い新たなハードウェアに移植することも可能にします。統合されたソフトウェアを提供することで、顧客の開発工数を削減し、製品の市場投入までの期間を短縮化します。自社開発やオープンソースのソリューションとは異なり、IP Infusionのソリューションはテストや検証済みの高い信頼性をもって提供され、また顧客が必要とするリソースを最小化することができます。
■IP Infusion Inc.について
IP Infusionは、最適化されたイーサネットやIPサービス向けに高機能ネットワークソフトウェアを提供する、業界の先駆的企業です。ネットワーク業界の主要メーカーは、IP Infusionの「ZebOS」やその他のグローバル向け専門サービスを活用することで、製品の迅速な市場投入や競合他社との差別化を低コストで実現しています。IP Infusionの技術が組み込まれた製品は5大陸のほぼ全てのネットワークに搭載されており、またネットワークの機能向上や設備コストの削減、収益の改善を目指す企業による採用も増えています。IP Infusionはカリフォルニア州サニーベイルに本社を置き、ACCESS CO., LTD.の100%出資子会社です。IP Infusionに関する詳細は、www.ipinfusion.comをご覧ください。
■株式会社ACCESSについて
ACCESSは、国内外の通信、家電、放送、エネルギーインフラ業界向けに、モバイルソフトウェア技術を核とした先進のITソリューションを提供する、グローバル企業です。全世界で累計10億台の搭載実績を誇る、組み込み向けソフトウェア「NetFront®」シリーズをはじめ、柔軟かつ拡張性が高いテクノロジにより、通信事業者、メーカー顧客などの次世代端末の開発やインフラ構築を速やかに実現します。「NetFront」で培った技術をベースに、スマートフォン・タブレット向けアプリシリーズ「NetFront® Life」シリーズを開発し、エンドユーザー向けに提供しています。また、2008年より展開している電子書籍ビジネスをさらに拡大し、2011年4月には、クロスメディア対応の電子出版プラットフォーム「ACCESS™ Digital Publishing Ecosystem」を市場投入し、事業社の電子出版ビジネスを包括的に支援しています。2001年より東証マザーズにて株式を公開(4813)し、現在、アメリカ、アジア、ヨーロッパ地域の子会社を拠点に国際展開も推進しています。ACCESSに関する詳細はhttps://www.access-company.com/をご覧ください。NetFront Lifeに関する詳細は、http://jp.netfrontlife.comをご覧ください。
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